政治的メッセージが満載?!百田尚樹最新作「カエルの楽園」
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どうも、よつぶです。
最近とある面白い小説を読みましたので紹介したいと思います。
僕は完全にタイトルに魅了されてこの本を手に取りました。
読み始めてから気付いたんですが、作者はあの「永遠の0」や「海賊とよばれた男」を手がけた百田尚樹さんでした。
どちらの作品も読みましたし、面白かったので、この「カエルの楽園」にも期待しつつ読み始めましたところ、予想以上に面白かったので紹介します。
あらすじ
まだ読んでいない人にネタバレをしたくないので、簡単にあらすじを説明しようと思います。
タイトルにもあるように、物語のほとんどが"カエルの世界"での出来事です。人間は一切出てきません。動物は少し出てきます。
主人公はアマガエルで、ある日、他の凶暴なカエルの襲撃によって故郷を捨てて安住の地を求めて旅に出ます。
旅の途中で他の凶暴なカエルや動物に襲われるなど過酷な日々を過ごしましたが、ある日ツチガエルの国に辿りつきました。そこはとても平和で危険もなく食料も安定した"カエルの楽園"のような所でした。
ところが、楽園とも思えたツチガエルの国「ナパージュ」でもある日事件が起き、それに巻き込まれていく主人公のアマガエルの物語になっています。
ナパージュは日本
物語の中心舞台となるツチガエルの国「ナパージュ」は読み進めていくと、そこがだんだん"日本"にすごく似ているなと思えてきます。
例えば、アマガエルはナパージュにしばらくいると、高齢のカエルが多く、おたまじゃくしが少ないことに気づきます。聞いて回ると、ナパージュでは昔に比べて子供を産みたいと思う母親が少ないんだそうです。
少子高齢化が問題となっている日本の減少と全く同じですね。日本は世界的に見ても経済格差は少なく、犯罪も少ない平和な国なのに、なぜか出生率が年々減少しています。
その平和なナパージュでは国民のツチガエルはみんな、平和なのは"三戒"のおかげだと言っています。三戒とは
カエルを信じろ
カエルと争うな
争うための力を持つな
の3つの掟のことです。
これは昔ナパージュの国民が他の国のカエルにひどい仕打ちをしたのでそれをまた起こさない為に作ったと言われています。
なんか聞いたことありますよね?日本の憲法9条に似ていませんか?日本も昔戦争で他の国にひどいことをして、その結果憲法9条ができて「もう戦争はしない国」になりましたよね。
ナパージュの国はみんなこれを守っているから平和だと信じています。日本も長年憲法9条を守っているから戦争とは遠い生活ができていると思っていますよね?
そして物語ではこの"三戒"を破棄するのかしないのかの議論に進展する場面があります。
そうなんです、まさに今の日本の社会そのものがカエルの世界でも表現されているように見えるんです。
小説いうよりはプロパガンダ
読み進めていると、カエルの世界を通じて日本にメッセージを送っているんじゃないかと思ってきたので色々と調べてみました。
するとやっぱりこの小説はプロパガンダのようだと思っている人は多く、百田尚樹さんを批判する人も多くいました。
この記事では作品の中の文章を日本の憲法に当てはめたらすごくしっくり来るといったことを作品の文章を使って説明しています。
まだ読んでない人にはちんぷんかんぷんなので、読んでから見ると面白いです。
しかも百田尚樹さんは"憲法改正派"としては結構有名らしいですね。そしてそのメッセージが今回の新作「カエルの楽園」には色濃く反映されていてプロパガンダのようだと批判を浴びているそうです。
映画化もされた「永遠の0」では特攻した人を褒め称えたとしてメディアから批判されています。
そういったプロパガンダ色の強い作品もあり、メディアからは嫌われ、書店からも嫌われる事態にも陥っているそうです。
まとめ
売れてはいるものの色々と批判も浴びている「カエルの楽園」ですが、僕はプロパガンダ色が強くても全然いいと思います。
小説や映画、漫画などの作品は常に何かしらの作者の思いや主張が込められています。今回のものはそれが少し他に比べて強かっただけです。
読者がそれを客観的に見て、作者の思いを読み取れるのは別に悪いことではないんじゃないでしょうか。洗脳されるようなやり方はよくないですが、そこまでの意図があるとは僕は思えません。
現に作品自体はすごく面白くて楽しめるものです。
カエルが主人公という少し変わった設定も良かったと思います。動物がメインのストーリーは子供用の絵本なんかではよくありますが、大人向けの小説にはなかなかないと思うので新鮮でした。
今回はわかりやすかったから良かったですが、今後はもっと読者の主張や意見をストーリーの中から読み取れるように注意して読書をしていきたいと思います。
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